日誌

喜ぶ・デレ 校長日誌 錦町の空から NO344 (2018/09/12)

校長日誌 錦町の空から NO344 (2018/09/12)

 9月3日(月)の校長講話

 おはようございます。6年生の挨拶、良いですね。6年生の挨拶を月曜日に聞くと、一週間元気に過ごせる気になりますね。
 さて、今日のお話は、「大切なのは、勝つことよりも助け合うこと」です。
 そのことを伝えるために、校長先生が夏休みに出会った「1人1秒のプレゼント」というお話をします。

このお話の主人公は、マサという男の子です。マサというのは、あだ名です。まさひろ君かな?まさお君かな?マサは、右足が不自由でいつも足を引いていたそうです。でも、マサは体育の授業にもサッカーの練習にも参加するがんばり屋でした。
 そんなマサの学校には、運動会ではクラス対抗リレーがありました。そのクラス対抗リレー練習が始まる前のこと。マサが担任の先生に元気なく、
「クラス対抗リレーには出ません。」
と言ってきました。
担任の先生が理由を聞くと、マサはようやく理由を言いました。 
 マサは、たまたま通りがかりでクラスの友達がこう言っているのを聞いてしまったのです。
「マサがいるかぎりぼくらのクラスは一等になれっこないよ。」
 マサはショックだったのでしょうね。担任の先生にもう一度言いました。
「ぼくはリレーはやめます。ぼくが走ると負けるから。」
 これを聞いた担任の先生は、クラスの子供たちにマサがリレーに出ないと言っていること、その理由を説明した後、みんなにこう言いました。
「リレーはみんなが力を合わせることがすばらしいんです。大切な友達を、傷つけて、優勝したって何がうれしいの。」
 すると、一人の男の子が立ち上がって、こう叫んだそうです。
「マサ走れよ。クラスのみんなが一人一秒ずつ速く走れば、38人で38秒速く走れる。そうしたら勝てるぞ。」
 この言葉で、クラスの雰囲気が変わりました。そして、どうすれば勝てるのか、クラスみんなで話し合ったのでしょう。結果、その日から、クラスのみんなは、必死に、スタートからバトンタッチの練習をしました。
 さて、運動会の当日。クラス対抗リレーは、クラス全体で20周とか30周とか決まっているのでしょう。マサは歯をくいしばって、自分の距離を走りぬきました。クラスのみんなも、マサに一秒をプレゼントするために必死で走りました。
 他のクラスは、途中で転んでしまったり、バトンパスに失敗してしまったりしました。
 そうして、マサのクラスは何と優勝したのです。価値のある優勝ですね。
 
 では、今度はみんなのクラスのことで考えましょう。
体育の授業でも、長なわ大会でも、11月にある学芸会でも、どのクラスにも一生懸命やってもうまくいかない仲間がいます。その仲間を外してしまうのではなく、いっしょに取り組んでこそ価値があるのです。

「大切なのは、勝つことよりも助け合うこと」です。