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喜ぶ・デレ 校長日誌 錦町の空から NO241 (2018/07/05)

校長日誌 錦町の空から NO241  (2018/07/05)

 憧れられる6年生に

 

 第三小学校では、全校朝会のはじめに6年生が自分で考えた言葉を述べる伝統があります。紙を見ないで発表し、マイクも使いません。

 例えば、72日の全校朝会では、6年生はこんな言葉を述べました。

「夏休みが近づいています。しかし私は再テストが残っています。しっかりテスト対策を行い、合格したいと思っています。みなさんも、1学期のまとめをしっかり行って、夏休みを迎えましょう。それでは校長先生と挨拶をします。『おはようございます』(「おはようございます」)

 先週は、次の趣旨の言葉でした。

 「学校公開が、土曜日にあります。私は音楽の授業で、歌や合奏で頑張っている姿を一番見てもらいたいです。皆さんも普段の頑張りを、おうちの人に見てもらいましょう。」

 

 それぞれ、全校児童の前でとっても緊張するシチュエーションなのに、大きな声で堂々と言葉を述べています。

 実は、全校朝会だけではありません。運動会の組体操でも毎回の練習のたびに、日光移動教室でも朝の会、朝食や夕食の時、代表の6年生がその日にかける想いやその日の自分(たち)の反省を、堂々と述べていました。日光での、開校式の言葉を紹介します。

「わたしたちは、今回の日光を最高の思い出にするために、日光について調べたり、備えたりしました。

今回のテーマは、『One For AllAll For One!』です。一人はみんなのために、みんなは一人のために、わたしたちにできることはたくさんあります。スリッパを揃えること、5分前集合を守ること、挨拶をすることなど、ルールをしっかり守りたいです。

 自分たちで、すすんで行動できるような、日光移動教室にしたいです。」

 

 これからも学芸会や卒業式でも練習のたびに決意表明や練習の反省を述べていくとのことでした。校長の私も、今から楽しみです。

 6年生の言葉が素晴らしいので、私は当初「先生方の手が入っているのかな」と思っていました。ところが、さにあらず。まず、言葉を述べるのは、あくまでも6年生の立候補だそうです。
 さらに、全校朝会直前の金曜日と当日8時に担任と簡単なリハーサルは行うのですが、どんな話にするかは、基本的には6年生が自分たちで考えるそうです。6年生が自分で求めてきた場合には、担任はアドバイスを行いますが、できるだけ子どもの考えを尊重します。そして、実際に話した後は、担任と振り返りも行うそうです。

 日本人は付和雷同で、(大人も含め)自分の考えをもてない人が多いと言われる中、6年生の全校朝会をはじめとする意見発表の取り組みは、グローバル時代を生きるのに必須な力を育てると感じました。

 今年度の6年生の学年目標は、「憧れられる6年生に」です。こうして、自分の考えをもち、それを全校児童の前で堂々と述べる姿を見続ける下学年の児童は、「自分も6年生になったら、あのようかカッコいい6年生になりたい」と思うことでしょう。

 運動会でも、日光移動教室でも、普段の学校生活でも、本校の6年生は、前向きに取り組む後姿で「憧れられる6年生」への道を着実に進んでいます。