日誌

Hello校長室142


■夏休みのまったりした日は、家族とつまらないことでぶつかったものです。私が
家でゴロゴロしていると、祖母に「牛になっちゃうよ」と言われました。「ゴロゴ
ロしていたほうが消化にいいんだ」と理屈を言うと、祖母は「えんま様に舌をぬか
れるよ」と返されたものでした。ああ言えばこう言うのですが、祖母が慣用句をう
まくまぜるので、物言いが柔らかくなります。父は「豆腐の角に頭をぶつけてこい」
というのが口癖でした。小学生の頃までは、そう言われるとシュンとして、反省し
たふりをしたものです。豆腐の角って確かに柔らかいですよね。でも私も中高生に
なっては、父と何度も猛烈な言葉の応酬をしたものです。ある日、父とけんかをし
て自室にこもっていると、父が「俺が悪かった」と言って千円札をくれました。
「おまえが反省しているので、財布のひもをゆるめるよ」と言葉を続けました。私
は、父の財布にはひもがないので大笑いしてしまいました。おかげですぐ仲直りで
す。慣用句慣れしていなかった青春のひとコマです。 (8月20日飯田芳男)