日誌

学校のできごと

喜ぶ・デレ 校長日誌 錦町の空から NO307 (2018/08/18)

校長日誌 錦町の空から NO307 (2018/08/18)

 現地校交流①

 日本人学校では、世界中どこでも現地校と交流を行います。せっかく異国にいて、現地の子供たちと交流しないのは、外国にいた意味がありません。もちろん、交流するには、下準備がかなり必要で、先生方は、企画→相手校とのやりとり(これは、スペイン語の堪能な事務長さんにお願いしていました。相手の返答に再度検討し直すこともしばしばでした。)→子供たちと交流の準備(最低限のスペイン語を講師に教えてもらう、名札をはじめとする準備物を用意する、リハーサルをしてみる等々)→交流当日。
 交流は、双方向となっているので、1つの学校につき2回行いました。
 日本人学校に来てもらうときは、せっかくの機会なので、日本文化を体験してもらいました。例えば書道。簡単な漢字を書いてもらって、最後に相手の名前を漢字に変換して日本人学校の子供たちが書いてあげるなどという交流です。また、中学校は、剣道での交流をしました。当時スペインでも宮本武蔵が流行していて、剣道が好きなスペイン人が多く、剣道を交流で行うと、現地校の先生方(と子供たち)はとても喜びました。当時の日本人学校には、剣道有段者(それも国体レベル)の先生が2人もいて、師範をすると、これも大変喜ばれました。

 また、私と同期に派遣されていた先生が、日本で太鼓の指導をしていたことから、 日本人学校の子供たちに太鼓の体験をさせたいと思い立ちましたが、当然のように太鼓はありませんでした。そこで、学級の保護者でワイン工場を経営していた保護者(お母さんは日本人ですが、お父さんはスペイン人)にお願いして、ワイン樽を譲ってもらい、その樽を太鼓にして太鼓を始めました。さすがは日本人。指導者も良かったのでしょう。あっという間に上手になって、保護者にも披露して、大喝采。(これがきっかけで、私たちが帰国した後、本物の和太鼓が日本人学校に寄贈されたとのことでした。)
 この和太鼓を交流に活用しない手はありません。スペイン人に披露すると、子供たちも先生方も大喝采でした。
 日本文化を知ってもらうには、交流はうってつけでした。
 

オリパラ・外国語コーナー


外国語活動コーナー。みんなはどんな果物が好きですか。
最近、新聞などで、よく英語について取り上げられ、関心
が高まっているようですね。第三小学校は、先行して実践
しています。しかし、おいしそうな壁面ですね。本校の英語
専科の力作です。

パーティーフラッグ(というのだそうです)をつけて
もらったら、主事さん調理員さんがワイワイ大騒ぎ
してやってくれました。
(子どもたち、ここでジャンプしてはいけませんよ!)

天井と床の厚さ検査は、思ったより大変だったようです。
予定では、今日終わるのでしたが、遅くとも日曜日には
終わります。各教室の穴の後は、このように目立たない
ように仮止めをしています。あくまでも仮だそうです。
いつもそうですが工事の方と、毎日挨拶をしていると、
仲良くなります。挨拶は魔法の言葉です。

3年生の教室も楽しいね


おおっ!まさか、こんな状態の子どもはいない
だろうねえ!地獄ではないから、今からやれる
だけやって、元気に来てください!
今日のホームラン級の、傑作ですね!

「ふわふわ言葉」の飛行船ですって!乗っている
のは。子供たち全員なんででしょう。すてき!

雲に浮かんだ、「いっしょに遊ぼう」の言葉。
いいですねえ!2学期もいっぱい使ってね。

これも、思わずうふふ・・・。めんどりのお母さん、
しっかり掃除を見張っています。「ピカピカにしよう」
2学期も。

今日は、秋めいていましたね


5年生の、水やり当番さん。稲も大きくなってきました。
男の子の白いシャツがやけにまぶしく感じました。今日も
青空です。

学童に通う子もまた増えてきました。みんなに聞くと
「もう宿題終わったよ。」と元気な返事。すごいねえ!

あれ、キバナコスモスではありませんか?そうか、
秋が少しづつ近づいているんですね。今日は、風が
強く、また湿度も低かったようで、なんとなく秋の
訪れを感じましたが・・・。また来週は台風ですと!

喜ぶ・デレ 校長日誌 錦町の空から NO306 (2018/08/17)

校長日誌 錦町の空から NO306 (2018/08/17)

 スペイン人のステキなところ
 
 前号まででスペイン人のアバウトなところ、つまり悪いところに触れました。(でも、そのアバウトさがなんとも言えず良い、という日本人も多々いました。むしろ今様々なことですぐに炎上する「妙な厳格さ」は、ちょっと行き過ぎているかなと思うこともしばしばあります。その点、スペイン人のアバウトさは、こういう形にはなりにくいと思います。アバウトさって、もしかしてこれからの時代の日本では必要なのかもしれません。)
 スペイン人にはたくさんの良いところがありますが、今回は1つ書きましょう。
 それは面倒見の良さ。困っている人がいたら、放っておけないのがスペイン人です。街を歩いていて、迷子になって、道を尋ねると、一生懸命その場所を教えてくれようとします。それだけではありません。道を聞いた人が以外でも次々と集まってきて、みんな口々に「あっちだよ。」「いや、こっちだ。」「何言ってんだ。俺は知っているぞ。こっちだ。」としゃべり、道を聞いた私は、どうしてよいやら途方に暮れることがしばしばありました。
 また、私の妻は、スペイン人の優しさに感激することがしばしばありました。妻は、定期的に我が子をベビーカーに乗せ、電車で街の中心地に和食を作る食材を買いに出かけていました。しかし、当時は駅がバリアフリー化していなかったため、階段を上るのには、ベビーカーを持ち上げてのぼらなくてはいけません。これは女性にはかなり大変な仕事。さあ持ち上げよう、とすると、いつの間にかスペイン人たちが集まってきて、手伝ってくれたのです。それがたまたまではありません。ベビーカーで駅を利用すると、毎回手伝ってくれるのです。妻は言いました。

「スペイン人って、いい加減なところもあるけれど、根本はとっても優しいよね。」
 私もそう思うことがしばしば。
 時間へのアバウトさと困っている人を見ると助けようとする優しさが見事の共存しているのがスペイン人だと思っています。

こっ、これは・・・・。


校長先生の7月の「錦町の空から」で、職員が体罰防止
の服務研修を行ったことは報告していただきました。
そして、みんなで考えた合言葉は
「ちょっと待て、子どもの話は聞いたかな?」
です。1年間職員室に掲示して、戒めにします!

教材室などの教材置き場も、1学期末に整頓されました。
授業が始まると多少ごちゃごちゃしますが、今はすっきり
整理整頓です。三小の悩みは空き教室や、倉庫が少なすぎ
るところですが、工夫して頑張ってます。

こっ、これは・・・。肝試しか、ナイトハイクに使うの
でしょう。これを真っ暗なところで見たら・・・・。

ボランティアの方々、忘れられない夏。


音楽室の、トランペット。年代物ですが、きちんと
手入れをされて保管してあります。この夏、豪雨の
西日本。泥まみれになった楽器を、分解・清掃・使
えるように直す。しかも、これをボランティア
(無償)でやっている、楽器屋さんがいると、新聞
に載っていました。すごい!音楽専科の先生に手入
れの値段を聞いてびっくり!音楽の力でみんなを元
気にさせてくれるのですね。

無事に、見つかってよかったですね。水があったのが
よかったのだとか。そして、このボランティアのおじ
さんもいい味を出していましたね。これまでのボラン
ティア活動が紹介されていましたが、すごい方ですね。
そして、発見の前日、お母さんが子供に呼びかけた放
送には、涙が出ました。「でてきてー!」と、懸命に
放送で呼びかけていました。心からの言葉でしたね。

心のこもった6年生の教室の一部です!


6年生の教室。卒業までの主な予定と、足跡がひと目で
わかります。じっくり見ていると「団結」という言葉が
思い浮かびました!2学期は6年生のさらなる活躍が今
から楽しみです!

これまた別の6年生の教室。なんて読むのかな。
一つ一つの漢字に、みんなの思いが込められてい
ます。憧れの6年生が学校を動かします!

これまた、違うクラスの教室。「すみません」や「ごめんなさい」
そして、「ありがとう」も、大事な挨拶なのですね。たった一言で
仲間になれる。「あいさつは魔法の言葉」ですね。
9月からも、「オアシスサ・ゴー」です。

喜ぶ・デレ 校長日誌 錦町の空から NO305 (2018/08/16)

校長日誌 錦町の空から NO305 (2018/08/16)

 何が幸せか?②

 (前号より)
 バルセロナにいた頃のあるとき、我が家で簡素なパーティーを行いました。
 そこへ招待したスペイン人が案の定遅れてきました。
 私は定番の「エスパニョール!!(やっぱり、スペイン人だよな~。)」を繰り出すと、笑いながら、そのスペイン人は切り返してきました。
「俺たちスペイン人は『生きるために働く』。でも君たち日本人は『働くために生きている』。」
 この言葉は強烈でした。妙に納得。そして、考えさせられました。
 幸せって何だろう?何が幸せなのか?と。
 実際、スペイン人を見ていると、本当に人生を謳歌しているように見えました。
 「人生は楽しむためのもの」と考えているようでした。
 それに対して私などは「人生は修行」と考えているところがありました。
 もちろん、そのスタンスは大きく変わってはいないのですが、あまりにも余裕がないのは考えものだと感じるようになりました。
 おかげで今は休みの時はしっかり休むというスタンスに変わってきました。
 とは言っても、やはり私は日本人です。指摘されたように、「生きるために働く」というより、「働くために生きている」部分はかなりあると感じています。
 いろいろな幸せがあって良いのだと思います。「折り合うべきところをしっかり折り合い」、「チームとして成果を出すために貢献する」ことを前提としたら、その他で何を大切にするかは、個々人が決めることなんだろうと思います。

喜ぶ・デレ 校長日誌 錦町の空から NO304 (2018/08/16)

校長日誌 錦町の空から NO304 (2018/08/16)

 何が幸せか?①
 
 今日の話題も全くの個人的な話題です。ここで書くことはあくまでも私見であることをご理解ください。

 イニエスタの緊急帰国を耳にして私は「エスパニョール!」と思わずつぶやいてしまったと書きました。実際、スペインに住んでいるとき(バルセロナ日本人学校時代)、スペイン人のアバウトさに閉口した覚えがしばしばありました。

 例えば、洗濯機が壊れて、修理屋さんを頼んで「今忙しいから、来週の土曜日に行くから。」と言われ、「え~、あと10日以上もあるじゃん。その間洗濯はどうすんだよ~。」と思いつつも、「郷に入っては郷に従う」と思いなおし、ひたすら待ったところ、待てど暮らせど来る様子もありません。まだ渡西してまもないころで、スペイン語は全くしゃべれません。電話もできず、困ったまま土日を過ごしました。翌週、通訳の人を頼んで、確認してもらったところ、その修理屋さんはこう言いました。
「ごめん。妻が妊娠しちゃってさあ。」
 妊娠なら仕方ないとあきらめ、ようやく次の土曜日に来た(英語が少しわかる)その修理屋さんに
「ところで、あなたの奥さんはどう?」
と尋ねると、「は?俺の妻?なんで?何の話?」ときょとんとしています。
「いや、だって、奥さんが妊娠したから、先週の土曜日に来られなかったんだでしょう?」
と私がさらに聞くと、その修理屋さん、
「え?妻は妊娠なんかしていないよ。」
との答え。
 ここでわかりました。つまりは言い訳をしたのです。

 時間にルーズなスペイン人は多々いました。日本人学校でスペイン語の先生をしていた女性たちも、一緒に納め会をしようとしてもまず時間通りに来ませんでした。
 8時に待ち合わせしても、来るのはみんな9時。
「どうしたの?」
と聞いても、だいたいいつも同じ答え。
「道が混んでいたのよ~。」
「出かけにお母さんに手伝いを頼まれてね~。」
等々。
 これもほとんどは言い訳です。
 そんなとき私たち日本人は、スペイン人に向かってこう言ったのです。
「エスパニョール!!(やっぱスペイン人だよな~。)」
(それに対するスペイン人の先生たちの答えは・・・「あなたたち日本人がまじめすぎるのよ。」でした。最後は互いに笑っておしまい、と言うのが常でした。)
 
 そんなことを思い出したので、イニエスタの緊急帰国を聞いて思わず私は「エスパニョール!!」とつぶやいてしまったのです。(怒ってはいません。愛情込めた言い方のつもりでした。)
 ただ、この私の反応は正しくなかったようです。私のつぶやきを聞いた、イニエスタの大ファンである同僚は
「イニエスタは、来日直後に試合に出てたんですよ。ホントは出なくても良いのに。ビザの関係もあって一度帰国しなくちゃ行けなかったんじゃないですか?」
 なるほど。もちろんバルサ(FCバルセロナ)のファンでもある私はこれで納得。
 
 それでもやはり、スペイン人の時間や約束にアバウトなところは今でも強い印象に残っています。ただ、ここで言いたいのは、それでも私はスペイン人が好きであることです。時間にある程度厳格な私たち日本人からすると、「ちょっとなあ~。」というところはあるのですが、次第に慣れてくると(日本人学校に3年間いたため、慣れてきました)、そこも含めてスペイン人が好きになってくるのが不思議です。
 
 「多文化共生」というのも、とどのつまりは、「折り合えること」「相手の違いを受け入れる」ことになるのではないでしょうか。